
過去のドンドコ掲示板
2003年06月01日〜12月31日
度々すみません。名古屋でサイン会をします。
今までに出版した師匠の6冊の本も並べてもらっていますので、是非この機会
に遊びに来てください。サイン会は売り場ではなく会議室でやりますので、いつもの
サイン会よりは師匠と接触していただけるチャンスは多いです。
上岡龍太郎・弟子吉治郎著
「”隠居”のススメ」(青春出版社)
刊行記念
上岡龍太郎さんサイン会
11月15日(土) 14:00〜15:00
6F 特設会場
新刊「”隠居”のススメ」(青春出版社)をお買い求めの方、先着100名様に整理券を発行いたします。
「”隠居”のススメ」と整理券をお持ちになってご参加ください。
問い合わせ 丸善名古屋栄店2階ナビゲーションセンター
電話 052−261−2249
メールアドレス sakaenavi@maruzen.co.jp
2003年10月28日21時15分36秒投稿
初めまして。投稿ネーム「すっきり・丸ごと・腰砕け」と申します。
このたびHP開設に伴い、生意気にも「リンク集」を作成し、
当サイトを是非リンクさせていただきたく、思いまして・・・。
ドンドコへの投稿は、かなりしていましたが、取り上げられたのは、
3〜4かいでした。でも上岡氏の個人プレゼントは頂きました。
ランニングパンツ等・・・。
ヨロシクお願いします。
2003年09月27日10時12分49秒投稿
弟子吉冶郎です。
9月1日発売で上岡龍太郎・弟子吉冶郎著『隠居のススメ』を出します。
青春出版社からです。1400円です。
またサイン会をやらせていただきます。
9月6日(土)14時から 難波ジュンク堂(ワッハ上方のビルです)
9月15日(月)17時から東京銀座福家書店です。ここはアイドルがよくサイン会をす
るところだそうです。(なんじゃそれは)
本の表紙を添付しました。もし載せられればお願いします。師匠の男前の顔が写って
います。
なお9月2日発売の週刊朝日にも記事が掲載されます。

2003年08月26日22時41分15秒投稿
こんにちは、会員番号245番です
24日上岡さんが走りはるんを見に行きました。
色真っ黒気で頭は白く、でも眼光鋭くでした。
市長選には出ないんですか?なんて、しょうもないことしゃべってたんですが、
掲示板に書く事はないですか?とおききしますと、
9月1日に僕の本がでます、
「隠居のすすめ」という本です。(口頭できいたんで、漢字があってるか分りま
せんが、)
9月6日に、ジュンク堂(ワッハ上方のなかに、あります)でサイン会をします。
とのことでした。ここ迄が、伝言です。
高砂の美人リスナーが調べて下さったんですが、ジュンク堂の ホームページ
には、でてなかったそうですが、興味のある方は、調べて行ってみたら如何でしょ
うか。
さて本を、買う。これがむずかしい、前のカッパの本も、借りて読めなかったのに。
2003年08月25日08時22分06秒投稿
哀愁の吉田清 下駄屋の喜六
先日久しぶりに、ドンドコにもゆかりのある故吉田清氏の自宅の前を通りかかりまし
た。広い間口に広い敷地、2mほどの高さの白い塀に「吉田」の表札。ところが、この
家がなくなっていたのです。もう跡形もなかった。何でまた?
彼の通夜の席に立ち寄った芸人さんの話を思い出しました。吉田清は生前ひどく借金
まみれになっていたとか。親は昔養鶏場を経営していて、自宅以外にも貸しガレ−ジ
も持っていて、そこそこの資産家であったはずなのに・・・。
吉田清は競馬競艇などのギャンブル好きでありました。競艇では解説者みたいなこと
もやっておりました。ジャンボ宝くじも相当買っておった。この一攫千金願望の性癖
が高じて・・・いや、それだけではない。「ペン企画」という会社の庇護を離れて自
前の事務所を開設したことがありました。仕事内容は芸能プロダクションみたいなも
のやったんでしょう。一室を構え、設備機器を揃え、人件費も捻出し、それがコケて
しまった。・・・それだけでもありません。
ここからはボクの想像です。ドンドコリスナ−なら覚えている人もいるでしょう、彼
が本を出版してそれを宣伝するためにドンドコスタジオに現れたことがありました。
タイトルは「売れた理由」。これは彼の長年の構想を温めたもので、もっと以前、春
蝶さんや上沼恵美子とやっていたOBCの「だから土曜日」というラジオ番組のころか
ら言っておりました。彼の持論によると、関西のお笑い界は15人の人気芸人が突出
していて、テレビやラジオのお笑い番組で有名なものは、ほとんどこの15人が牛
耳っているといるとか。その15人の人気が出た理由を自分なりに分析して「なぜ売
れた」というタイトルで本を出してみたい。タイトルは変更されたけど、そんな長年
の夢を叶えたわけですな。本の帯の推薦文は、まだ府知事であったころのノックさん
が担当しておりました。
死者に鞭打つつもりはないけど単刀直入に申します。吉田清はよく喋りましたが、彼
の話に知性や品性や巧まざるユ−モアというものは一度も感じたことがありません。
「だから土曜日」で、一度決して許せないような無責任なことを広言したことがあっ
たけど、この内容はもう公表しないでおこう。ほとんどのリスナ−もボクと同じ意見
であったとみえ、この本を買ったという話は聞いたことがありません。それこそこの
本が「売れなかった理由」は誰にでも分かるでしょう。しかし吉田清はなぜか、自分
の能力を根拠もなしに過大評価していたふしがあり、この本もベストセラ−になると
でも思っていたのではないか。だから自宅を担保に入れて借金を背負ってまで自費出
版をした。これが自宅を手放す理由にも自らの寿命を縮める理由にもなったのではな
いか。この本の無理な出版がトドメをさしたのではないか。
吉田清の自宅の跡地には真新しい3階建ての家が二軒建っておりました。本当に広い
敷地やったのですよ。
吉田清氏のご冥福を心よりお祈りいたします。
2003年08月23日00時11分38秒投稿
S.S☆「見たい者ほど」☆ あや太郎
「わたし、よく幽霊やらUFOを見るタチなのよ。そのせいか、地球が滅びる大予言
なんか心配で心配でしょうがないの」
「僕なんか、幽霊もUFOもぜんぜん見ないし、予言や占いも信じないね。心配する
ほうが馬鹿馬鹿しいと思うけど、そういう不思議な物を見たって言う人は、それが気
にかかるらしいね」
「そうなのよ。やっぱり見てしまうと馬鹿馬鹿しいの一言で済ませられないわ。それ
にしても不思議ねぇ−−UFOや幽霊を見る人と見ない人が居るなんて…」
「別に不思議な事はないさ。理由は見当が付くよ。僕なんか元来そういう物を見たい
見たいと思っているから見られないんだろうさ。逆にキミなんか、どちらかと言う
と、怖いから見たくないのに見てしまうんじゃないのかな?」
「実はそうなのよ。そういう不思議な物やオカルトが怖くてしょうがないの。それな
のにそれを見たり感じたりしてしまうのよ」
「怖がってるから神経過敏になってるんだろうな。僕なんか怖がってないから冷静に
なりすぎて、錯覚すらしないね」
「まるで私の見てるのは幻覚だと言わんばかりね」
「断定はしないさ。ただ同じ場面に出くわしても僕には見えないだろうと思ってさ」
「やっぱり馬鹿にしてるわ。でも私が見たUFOや幽霊は何度思い出しても錯覚じゃ
ないと思うわよ。だって余りにもハッキリ見えたんだもの。逆に私たちが素直に見え
る物を、あなたたちは見る能力がないんじゃないの?」
「なるほど−−存在しない物が見えるのか、存在する物が見えないのか…それが問題
だな。しかし僕等は少なくとも…見たい…と思ってるんだぜ。頭っから否定してる訳
じゃないんだからさ。たまには見せてくれても良いんじゃないのかな」
「それは、さっき言ってたように、見たいって思いが強いから、へそ曲がりの神様
が…見せてやーらないっ…て意地悪してるのかもよ」
「何だ−−それじゃいつまでたっても見られやしないのか。ムカつくけど、まぁイイ
や。別にそれほど見たいって訳でもないんだ。どうせ見たって詰まらない物だと思う
よ。あんなに見たいと思ってたのに−−あぁあ、見なけりゃ良かった…って愚痴るの
がオチさ、ハハハハ」 それを雲の上から聞いていた神様が、ポツリとこぼした。
「それが怖いから、見せないようにしてるんだよ」
(完)
2003年07月30日00時17分42秒投稿
『裁きの日―Judgmet day―』 ヘーパイ
「お前の生まれた年にな、タイガースは優勝したんや…」
晩酌の盃を傾けながら幼い私にそう語りかけるのが父の癖でした。父にい
わせると、何でも1985年は父の時間軸にとって重要な構成要素を成す年
なのだそうです。その要素とやらを問いただしてみました。すると父はまず、
この年のはじめに娘の私が誕生したことを挙げました。そして、そのちょう
ど9ヶ月後にタイガースは神宮球場でリーグ優勝を果たしたのだ、と申しま
した。さらにこの年にはバックトゥザフューチャーの一作目が公開され、西
太后が異様な人気でロングランヒットを飛ばしたのだそうです。
殊に重要なことにはターミネーターの一作目が公開され人気を博したのも
この年だというのです。
少し首を傾げます。私の誕生はともかく、その他の事が父にとっての重要
な構成要素なぞといえる事柄なのでしょうか。
私が6歳になった年にターミネーターの続編が公開されました。このター
ミネーター2には《裁きの日》との副題が添えられておりました。なにを思
ったのか、父はまだ幼い私を劇場に連れて行き、この映画を私にも観せたの
でした。
子供だった私には恐ろしいばかりの映画でした。車やビルは炎を上げて爆
発し、機関銃は大きな炸裂音で弾丸をばら撒くのでした。そんな中、強烈な
印象を伴う場面が、幼い私の記憶と網膜に強く焼き付いて残ったのです。
「見せてやれよ!」主人公のジョン・コナー少年が刃を起こした飛び出しナ
イフを無口な大男ターミネーターに手渡します。ナイフを受け取った大男は
自分の左前腕のひじ近くにナイフの刃を無造作に突き立てました。輪切りに
でもするように彼は皮膚に切り込みを入れます。さらにひじ辺りから手首に
向かっての皮膚に深くナイフの刃を走らせました。次に大男は皮膚の切り込
みに右手指先を這わせたかと見ると、まるで手袋でも脱がせるかのように一
気にそれをつかんではぎ取ったのです。現れたのは血に濡れた金属製の骨格
でした。大男は自分の正体を示す金属でできた腕の骨格を無表情のままガチ
ャガチャと動かして見せるのでした。
以来、私は悪夢に悩まされることとなったのです。
夢の中です。教壇の先生がいきなりナイフを取り出し自分の腕の皮を剥ぎ、
むき出しになった金属の骨をガチャガチャ動かします。晩酌中の父が前腕を
切り裂き、やはり金属の骨をむき出しにしました。先生や父の双眸は闇の中、
不気味に赤く光を放つのでした。
そんな悪夢が1年も続いた頃でしょうか、タイガースは好調で首位のヤク
ルトと優勝争いを繰り広げることとなっておりました。
「あの年は、もうちょっとやったんや…」
結局、その年阪神は競り負けて優勝を逃しました。静かに嘆く父の口癖を
それ以後、晩酌の度に長く長く聞かされることとなったのです。阪神ファン
にとっての《裁きの日》は余程苦々しいものであったようです。
「もうターミネーターは作らない!」ターミネーターの生みの親であり、シ
リーズ2作を監督したJ・キャメロンはそう宣言したそうです。でも、金の
成る木である人気シリーズは監督を替えて2003年に完成したのです。
同年、7月12日。ターミネーター3は日本での公開初日を迎えました。
前売り券を手にした父はいそいそと劇場へと出掛けて行きました。父がご機
嫌なのはターミネーターの新作を観られるせいばかりではありません。この
日の数日前に父の応援する阪神タイガースに、優勝へのマジックナンバー
《49》が異例の早さで点灯したからなのです。
無敵の阪神タイガースは負けることを知らず、順調にマジックナンバーを
減らしてゆきます。静かに喜びを噛み締めているのか、タイガースが常勝チ
ームとなった今、むしろ父は無口な人になりました。そんな近頃、私は久し
振りに懐かしい夢を見ました。
甲子園です。伊良部が見えます。勝利投手インタヴューなのでしょう、マ
イクを構えたアナウンサーが口を開きます。
「今シーズン好調の伊良部投手ですが、今日は特に人間離れの投球でした!」
すると、いつの間に来たのか傍らの星野監督が鋭く光るナイフを手渡しな
がら伊良部にいいます。「見せてやれよ…」と。
左手でナイフを受け取った伊良部は右前腕にナイフの刃を走らせます。大
胆にナイフを使った伊良部は、右腕の皮膚を一気にはぎ取りました。そこに
現れたのは逞しい輝きを放つ金属製の骨格でした。ぬらぬらと血に濡れたそ
の腕をガチャガチャと動かすと、半笑いの伊良部の目がポッと赤く灯りまし
た。傍らの星野監督の目も赤く光を放ちます。やがてタイガースの選手が全
員集合しました。無表情に佇む彼らの目は全て赤い光をたたえているのです。
ガシャッと音を立てて全員が回れ右をしました。一糸乱れぬ行動でした。
ガチャンガチャンと足音高らかに全員が遠ざかって行きます。
暫く進んだところで伊良部だけが立ち止まり、こちらへと向き直りました。
「なにか言うのかしら」私は息をのみました。すると、赤く光る双眸と無表
情な含み笑いを浮かべながら伊良部がゆっくりと声をあげたのです。
「アイル ビィ バック…」
暗転したかと思ったら、私は目を覚ましました。急かされるように玄関に
ゆき、届いている朝刊を開いてみました。その日の陽気な新聞のスポーツ面
は、タイガースがマジックを一ケタ台に減らした事を知らせていました。
―しまい―
2003年07月27日08時43分13秒投稿
S.S☆「菩薩の笑み」☆ あや太郎
菩薩と夜叉が久々に出会い茶飲み話に興じていた。
菩薩は顔に例の如くの微笑みを浮かべ、夜叉は正に鬼の形相そのままに喋り始め
た。
「夜叉殿−−あなたはこれまでに何人−−いや、何万何億人の人を殺したのじゃ?」
「さぁ、何万人か、何億人か…正確には覚えておらんな」
「何と無慈悲なお方。何万人、何億人も人の命を奪って、その数すら覚えておられぬ
とは」
「わしは人間の心の闇の部分…つまり人間悪を代表して人の命を奪っておる。わしの
一存や気まぐれで殺しておるのではない。それに、そう言う菩薩様も、何万、何億の
命を奪われておる。たぶんワシより遙かに多くの人間を死なせておるはずだが?」
「わたしが人の命を奪ったですって?わたしは人を救うのが仕事なのですよ」
「そうですかな?あなたを信じ、崇める人々は必ず最後に死ぬではないか。死なぬ人
が一人でもおるのですかな?」
「それは寿命が来て死ぬのです。殺しただなどと人聞きの悪い…」
「そうかな?大往生する人よりも、何やら早く死ぬ人間が多いような気がしますぞ。
それに仮に寿命で死んだとしても、そんな寿命というような摂理それ自体、人間を殺
す事と何ら変わりないように思うが?」
「相変わらずヒネくれたお方じゃのぉ。生き物というものは凡そいつまでも生きつづ
けている訳には行かぬものです。それに人間は一度は死なぬと救われない。だから必
ず往生する事になっておるのです」
「なぜ生きてる間に救わないのですかな?救えないとしたら、それはお手前の計算違
いだったのでは?」
「いやな事をおっしゃるものよ。わたしが救いたいのは人間の魂です。肉体ではあり
ませぬ。だから生死の境を超える事で、一種の濾過をし、純粋になった魂を救済する
のです。このように、魂を救うために死を経験させるのですから、決して殺している
のではありません」
「言い訳がましいお方だ」
「言い訳ですって?何のための言い訳です」
「正直にお言いなさい。あなたは多くの…いや、無限無数の人間を殺して楽しんでお
られる」
「何て…何て事をおっしゃるのです!わたしが…この菩薩が、人殺しを楽しんでいる
とおっしゃるのか?」
「そうです。夜叉のワシらより遙かに多くの人間を死なせ、生かし、また死なせ、ま
た生かし、それによって歓びを得ておられる。恐ろしいお方だ」
「聞き捨てなりませぬ。いったい何を根拠にそんな邪推をされるのか?」
「根拠と証拠は…そのお顔の笑みです」
「顔の笑みが?これが一体なぜ人殺しの歓びなのです?」
「人を殺す歓びは夜叉のワシには良う分かる。しかしワシはそんな微笑みを浮かべる
ほど人殺しを経験していない。それに比べて菩薩殿の笑顔と来たら−−もう夜叉の所
業など軽々と超えるほどの歓びを感じておられる笑顔ではないか」
「あなたの鬼のような形相と比べられたくはありませぬ。そもそも人を平気で殺すの
にはあなたのような恐い形相がお似合いです。わたしのような柔和な顔で何の人が殺
せましょう」
「いや、ワシのような恐い顔をして人を殺すのには限界がある。むしろ優しげな微笑
みを浮かべつつ、人を殺して行くほうが自然だ」
「なぜそんな理屈が成り立つのです?」
「なぜなら、微笑みを浮かべ続けるのはさほど難しくないが…こんな恐い顔をいつま
でも続けていると…顔の筋肉が疲れてしょうがない」
(完)
2003年07月02日17時16分28秒投稿
こんにちは、会員番号245番です
ひさしぶりに、ミミさんにようがあって、連絡しました。
お返事は、ミミさんらしく。
「みなさんによろしく、生きています。」というものだったんで、ここに書きます。
あいかわらずの、空気がよめないまま、ざこばさん南光さんのお芝居のがお
もしろかった、よかったなんていっていたんですが、お芝居は、20日に終って
いて、23日におしえてもらってもね、ともかくお元気でなにより。
2003年06月24日08時04分59秒投稿
S.S☆「自然界の掟−2……象篇」☆ あや太郎
学校の自然科学の時間−−スクリーンには象が映し出されていた。
「今日は地上最大の生き物・象と他の動物たちとの不思議な関係について勉強して行
きます。ライオンの群れのそばを象が歩いて来ました。おや…ライオンのほうが道を
譲りましたね。そうなんです−−百獣の王ライオンでも象の巨体にはかなわないんで
す。つまり象は地上最強の動物なんですね。…その象たちのところへ、バッファロー
の子供が一頭、近づいてきました。迷子になって、仲間だと勘違いしてるようです
ね。象に比べたら子犬のような大きさのバッファローがまとわりつくと−−おや、象
が何だかソワソワして来ましたね。どうしたら良いのか分からず、パニックになって
います。ライオンには強いのに子供の動物には弱いんでしょうか。イライラしてバッ
ファローの子をしきりに威嚇してます。ついには追い立て始めました。あ、そこへ
バッファローの親がやって来ました。子供を見つけて群れのほうへ連れて帰ります。
やれやれ…と思ってたら、それで事件は終わりませんでした。何と、さっきの象が追
いかけてきてバッファローの群れを蹴散らし始めました。さっきまでの怒りを爆発さ
せているようです。さぁ、皆さん…こんな様子を見て、どんな感想を持ちましたか
?」
「ハーイ。何だか八つ当たりしてるように見えまーす」
「そうだよ−−ヤクザが因縁付けてるみたいだ」
「まぁ、そんな風に解釈してはイケません。これはむしろ象の優しさと潔さを表して
いるんですよ。小さな子供相手の時は、ケガをさせるわけにも行かず、むしろ戸惑っ
た様子なのに、相手が成牛の群れだと、一転して牙を振りかざし、決然と向かってゆ
く−−こんなに男気のある動物はちょっと居ません。皆さん、分かりましたか?」
「そうかなぁ…どう見てもヤクザみたいに見えるけどなぁ」
「それは人間のヒネくれた見方だわねぇ。強い者には強く、弱い者には優しい…これ
はとっても素晴らしい特質ですよ」
「へぇ〜…。つまりヤクザにゃ強いが、子供にゃ弱い…って訳か。なーんだ、やっぱ
りヤクザじゃないか」
(完)
2003年06月22日21時26分03秒投稿
S.S☆「ボランティア・ゲーム」☆ あや太郎
独り暮らしの初老の男が居た。
妻には死に別れ、子供にも恵まれず、近しい身内も今は居ない−−天涯孤独と言っ
て良い身の上だった。特に寂しがり屋でもなかったので、孤独は苦にならなかった
が、それでも子供や孫の一人でも居てくれたらと思う事はよくあった。
そんな時、パソコン通信を通じて「子育てゲーム」が流行っている事を知った。
「暇を持て余してる事だし−−」
試しにアクセスしてみた。
「身上書−−趣味−−などをインプットして下さい」
と指示があった。プライバシー云々という話も聞くが、別に社会的な影響も、殊更
の財産もある訳でなし、思い切り正直に略歴と趣味嗜好を書き込んでみた。
すると意外な返事が来た。
「あなたは家庭的にも経済的にも恵まれなかったお気の毒な老人です。よって、特別
に無料サービスで子育て気分を味わっていただく事になりました。ゲームに参加した
い場合には次の暗証番号を押してください−−」
手の込んだ勧誘かな…とも勘繰ったが、知る限りでは無断で料金を引き出される心
配も無さそうだったし、サービス会社のほうも一応名の通った大手だ。それほど悪ど
い事はすまい。怪しいと思えばいつでもヤメれば良いのだから、あとは自分の判断力
次第だ。これもゲームの内だと思って参加手続きを取った。
画面に三歳ぐらいの子供が映った。可愛い盛りである。
「あまり画質は良くないようだな」
コマ落としのようなギコチない画像だった。
「無料だから安っぽいのかな…」と独り言を言っていたら−−
「この子で良いですか?」と質問が来た。断る理由もないので選択ボタンを押した。
「一年後です−−」
というナレーションがあり、画面の中の子供が少し成長した。この辺りコンピュー
タは便利だ。
「幼稚園に入りました−−」
勝手に子供が育って行く。これでは何に参加したのか分からない。
「子供の相手をさせてくれ。会話は出来ないのか?」
聞いてみると、小学校に入ったら出来るようになると返答があった。そして目の前
で子供はランドセルを背負うようになった。
「おはよう」
可愛い声が聞こえた。頭にリボンを二つ付けて猫の耳の形にしてある。可愛い女の
子であった。
「小学校に上がれて良かったね」
ありきたりの言葉をかけてみた。
「うん。じゃあ行って来まーす。またね−−」
背を向けて子供は走り去った。
まだ子育てどころか、ロクに口も聞いていないのだが、それでも自分の「分身」だ
と思うと結構愛しく感じた。
「それではまた来週、この時間に…」
ゲーム画面が消えた。次回からは有料かと思ったら、そんな告知もなかった。
「あとになって、情が移ってから、ガッポリ巻き上げる気かな…?」
苦笑しながらパソコンを切った。
−−−−−−−−−−
「わたし、ネコメちゃんって呼ばれてるのよ」
彼女が自分のあだ名を紹介した。学校で付けられたらしい。
「そう言えば、猫みたいな目をしてるね」
髪のアクセサリーも自然そんな風だ。
「大きくなったら猫になるのよ」
「ハハハハ…そりゃあ良い。立派な猫におなり」
毎週画面で会うたびに少しずつ成長しているような気がする。子育ての実感を演出
しているのだろう。それにしても良く出来たプログラムだ。最初は週に一回ぐらいだ
と馴染めないようにも思ったが、逆に新鮮味を失わず、しかも顔を見たいという願望
がずんずん強くなってゆく。
今日学校であった出来事や遠足の話や食べ物やテレビタレントの好き嫌いの話をし
ていると、万事がリアルで虚構の世界だという事を忘れてしまった。刺激的な事件も
奇想天外なストーリーも何も無いのだが、平凡な分だけ逆に飽きが来ないようだ。た
まに会う孫娘みたいな気がして、「ネコメちゃん」は彼の生活の中でもう欠かせない
存在になっていた。「今、あの子を取られたら、ガックリ老け込んじまうだろう
なぁ…」
そんなタイミングで「有料コース」のお知らせが来るのかも知れない…と、相変わ
らず警戒心と心の準備だけは忘れなかったが、案に反して料金の徴収は一切なかっ
た。
「ボーイフレンドができたのよ。隣のクラスの○○くん…」
そんな可愛い初恋から始まって、将来の結婚を意識した彼氏の話まで
泣いたり笑っ
たり、怒ったり落ち込んだり
男が「孫娘」と対話するようになってから十数年がたっ
ていた。どうやら本当の「ボランティア・サービス」だった事を知った頃、一本の電
子メールが入った。ゲーム・オーバーの告知だった。
ずいぶん以前にもそれとなく聞かされてはいた。十八になり高校卒業を間近にした
彼女とは、この春でお別れという約束なのだ。淋しかったが、ここまで自分の生き甲
斐になってくれた「孫娘」には生身の人間と同じくらいの愛着と感謝の念を抱かずに
はおれなかった。
「今日で学校からも、このゲームからも卒業します。さようなら、お爺ちゃん」
テレビ画面のこちら側には、もう誰が見ても「爺さん」としか見えない老人が座っ
ていた。
「とうとう、お別れだね。実はワシもこの春から老人ホームのお世話になる事になっ
たんだ。そうなると、ゲーム機相手にボソボソ独りごと言ってるのもカッコ悪い。今
日を区切りに、ワシもゲームから卒業するとしよう」
「それじゃ、元気でね、お爺ちゃん。わたしも専門学校で頑張ります」
「ああ、世間の役に立つ人になっておくれ」
涙でくしゃくしゃになった彼女の顔が今ゆっくりと画面から消えた。その画面が老
人の涙で一層かすんで見えた。
「さて、おれも現実に戻って、堅実に老後を過ごすとするか…」
入った老人ホームは、予想どおり余り快適な所ではなかった。設備も古いし人手も
少ない。気難しい年寄りが多くて、友達にしたい人間もほとんど居なかった。
「これなら、無理しても娑婆に居たほうが良かったかな…」
ちょっと後悔しかけていたところへ、見かけぬ女の子の一団が入ってきた。
福祉介護の勉強をしている研修生たちらしい。
「よろしくお願いしまーす」
と挨拶した少女たちの中に、何と「孫娘」そっくりの女の子がいた。
「あっ…キミはひょっとしたら…?」
「あっ、お爺ちゃん!ここだったの?
「そんな事より−−キミ、現実の人間だったのか?」
「実はそうなの。あのゲームは、テレビ電話を通して話相手をするっていうボラン
ティアだったのよ」
「知らなかった」
まさか自分に会うためにここへ研修に来たのではあるまいが−−
「何だか、騙してたみたいで申し訳ないわ。怒ってる?」
「まさか。キミに会えただけで−−いや、キミが現実に存在するというだけで、ワシ
は嬉しいよ。それにこのホームに居れば、またキミに介護してもらえるかもしれない
しね」
「その時はぜひ呼んでね。すぐ飛んで来るわ。ハイ、これが介護保険の特別料金コー
スです。ちょっと高く付くけどね、ウフフ…」
(完)
2003年06月16日00時08分00秒投稿
S.S☆「ピノキオ」☆ あや太郎
人形作りの名人・ゼペット爺さんには子供が居なかった。
独り暮らしも寂しい事とて、身内代わりに子供の姿をした操り人形を作った。糸で
つり下げる人形ではなく、ゼンマイで動く精巧な、手足のヒョロッとした鼻の高い人
形だった。ゼペット爺さんはこの子にピノキオという名を付け、息子として可愛がる
ことにした。 ところが、この人形がとんだ腕白小僧だった。となり近所で悪さばっ
かりしている。
挙げ句の果てに人買いに捕まり、見せ物小屋に売り飛ばされてしまった。
しかし嫌われ者だったピノキオを町の人間は誰も助けようとはしてくれない。
「ピノキオや…」
仕方なくゼペット爺さんは独りでピノキオを探す旅に出た。
艱難辛苦は如何ばかり、海賊と闘い、嵐に遭い、鯨に呑まれたりしながらゼペット
爺さんはついにピノキオと再会した。
さんざん苦労したお蔭でピノキオもすっかり反省し、良い子に成長していた。そし
てそんな二人を見た神様も二人の夢を叶えてやろうと思われた。
「ピノキオを人間にしてやろう。姿、形は今のままだが、ちゃんと血の通った人間の
男だ。これからは実の息子として可愛がってやれ」
「有り難うございます、神様。ピノキオを生きた人間にして下さって。これで本当の
息子ができました。有り難う…」
姿こそ人形のままだが、今や温かい血の通うピノキオをヒシと抱きしめた。しかし
その時ゼペット爺さんはフトある事を思い出し、不安になった。
「待てよ−−−ちゃんと付けておいたっけ…?」
ピノキオのズボンの中をまさぐって、爺さんは愕然とした。人形作りの過程で、肝
心な部分を付け忘れていたのだ。
「可哀相に、坊や…」
折角人間のピノキオになれたというのに、息子は肝心の所だけピノキオになれない
のだった。
(完)
2003年06月09日22時20分59秒投稿
【end of file】