過去のドンドコ掲示板
2002年03月16日〜31日

S.S☆「撃沈」☆     あや太郎

「…本日夕刻、南西諸島付近で沿岸警備艇が高速で領海侵犯する『不審船』を発見、
直ちに停船を呼びかけましたが応じず、威嚇射撃したところ発砲による反撃をして来
たため、已む無く撃沈させたとの速報が入ってまいりました。また続報が入り次第お
伝えいたします・・・」
 日ごろから目障りだった某国のスパイ船らしい。国民の論評も盛り上がる。
「やっと撃沈してくれたな。うちの警備は及び腰でイライラしてたんだよ」
「そうだそうだ。ヤツらの国ではさぞかし口惜しがってるだろうな」
「まぁこれで当分懲りるだろうさ。我が国が初めて国家の威信を守った記念日に乾
杯〜〜!」
 その頃、「ヤツら」の国でもこんな話題で盛り上がってた。
「お隣さんは、うちの船を沈めたって喜んでるらしいぜ。呆れたもんだ」
「いつでも不審船と見たら、我が国のだと思ってる。でもあんな古い型のスパイ船、
もう二十年も前に廃れてるのにさ」
「あれは確か、どこかの金の無いテロ組織に払い下げたんじゃなかったかな。たぶん
海上テロの稽古でもしてたんだろう」
「撃沈なんかしなくても、放っといたら沈むオンボロ船なのに」
「沈まない内に撃沈して手柄にしてるんじゃないの。真相を知ったら、さぞや口惜し
がるだろうなぁ、あの国の連中も」
――――完――――――

2002年03月31日11時28分48秒投稿

S.S☆「カチある国」☆     あや太郎

「何故どの国も闘うのか?」
 新世紀を迎えても一向に紛争、テロ、戦争の絶えぬ国際情勢をテーマに、世界の若
者達が話し合った。
「我が国は、国家と民族を守るために闘う」
 切羽詰った論調であった。
「我が国は、国家の威信と世界平和のために戦う」
 些か鼻につく大国らしい主張だった。
「我が国は、神の名のもとに闘う」
 近年、台頭著しい訳の分かりにくい論理であった。
「我が国は・・・生活のために闘う」
 武器兵器の類しか産業の無い国の言い分である。
 ちなみに、義勇兵や外人部隊の派遣も請け負っているそうだ。
「国を作るために闘ってるんだ!」
 故郷を追われた人々の叫びだった。さすがに皆、無口になってしまう。
 触らぬ神に祟りなし・・・。
「闘いが好きだからだ。文句があるか」
 恐ろしく開き直った国の代表が発言した。本音としては面白いのだが、さすがに咎
める意見が噴出する。
「闘うのはニンゲンの本能じゃないか。みんな奇麗事を言うな」
 また反論と非難、百出。しかし好戦的な若者はへこまない。
「人も国も勝たなきゃ始まらない。弱い国が文明や歴史を作れるもんか。俺達は闘
う。損得抜きでも闘う。それは勝つためだ。そして誇り高い国家を作る。勝ちを知ら
ない国家に歴史を塗り替えるなんてできるもんか」
 あまりの勢いの良さに圧倒されて反論も道理も引っ込んだ。最後に近頃さっぱり
「戦い」に縁の無くなったある国の代表が発言を求められた。
「えーっと、我々も・・・カチにはこだわっております。
意外な発言が飛び出した。すわ、軍事大国復活かと近隣諸国も色めき立つ。
「平和で住み易い、穏やか〜〜な国造りをしていますから」
「では、軍事力は?」
「そんなモノ、要りません。周囲の国々が警戒しているのをこれ幸いに、上辺だけの
ハッタリ装備で茶を濁し、浮いた予算は景気浮揚に…」
「こらこら〜〜!軍備も無く、勝利を勝ち取る事もなく、何が国家だ。民族の誇り
だ。恥を知れ、恥を!」
「闘って勝ちを得るより、闘わずして平和を勝ち取るほうが暮らしやすいじゃないで
すか。勝たなくても『価値のある国』にはなれるはずですよ。そして価値ある祖国な
ら、それを守るために闘う価値も生まれてくる。やはり『勝ち』よりも『価値』が先
決じゃないてじょうかね」
「う〜〜ん・・・」
 さすがの強面連中も黙り込んだ。
「ひょっとすると、あの国の代表は正しいことを言っているのかもしれない…」
 皆がそんな感慨に耽っている間に、もうその平和第一主義国家代表達はそそくさと
議論の場を退出していた。
「屁理屈が効いてる間に早く逃げよう。また暫くしたら、どうせ袋叩きに遭わされる」
「でも団長の言ってた事は正論じゃないですか。何も逃げ出さなくっても…」
「いや、正しいか、合理的かなんて二の次だ。世界はまだまだ理不尽で血の気の多い
連中に牛耳られているんだからな。まだ知性的で理性的な時代は来ていない。だから
今は、逃げるがカチなのさ。そう……奴らと与せず逃げておくほうが、カチある行為
かも知れない」
 ―――――――――完―――――――――

2002年03月29日21時50分58秒投稿

皆様今日はOTCは薬屋です

昨日、大阪有線から電話がありました。
有線がCS放送になるから云々・・・

大阪有線は、今までのケーブルを取っ払って、無線にするそうですわね。
工事費も無料で、4月より工事になります。
ということでした。

それで、放送内容は変更無いですね?と聞きましたところ
ラジオが入らなくなるというのです。
ずーっと以前にも書いたのですが、有線はラジオを聞くために
契約しております。

以前も、有線とラジオ局の間で、有線がラジオ放送のチャンネルをつくって
いることが問題となり、チャンネルが外されました。
ドンドコと、ほかちょっとだけのラジオを聞くためにつけていたので
有線をしばらくやめました。

その後、有線とラジオ局で話し合いがもたれ、以前のようにラジオチャンネルが
復活しました。

それからはラジオを以前よりも聞くようになり、開店から閉店までつけております
る。
菊水丸から、ありがとう、途中でチャンネルを変えて、東西南北竜介から、小山のり

最近はずーっとABCを聞いておりました。
しかし、それも4月までになりそうです。

理由を述べて、ほたらやめます。と言いますと、何とかまってください。
アンテナを何とかしますとのこと。
アンテナでAM放送は何とかなるものなのでしょうか?
最近はエエアンテナがあるのかな?

ラジオが無いと辛いけれども、毎月6000円は浮きます。
う〜ん、この際キッパリと縁を切るべきかな?大阪有線。

インターネットのラジオ放送はそこそこいけておりますのやろうか?

2002年03月29日11時16分19秒投稿

S.S☆「背後霊」☆     あや太郎

 青年が背後霊の存在に気づいたのはいつの事だったか。
 以前から、何か背後に不可思議な気配を感じてはいたのだが、それを霊能者と
言われる人に霊視してもらって、ようやく納得が出来た。
 それは青年の曾祖父の霊らしく、一応は守護霊らしいのだが、気まぐれで役には立
たないという。それというのも、この曾祖父というのが・・・・
「博打うちで女たらしで、どうしようもない道楽者だったらしいぞ」
 父親の言葉に青年も納得した。
「それでか…。彼女と良いところになると、背中がゾワゾワして気になって…」
 肝心のことに身が入らないことすらあったのだ。
「あんな時まで背後霊に見守られてると思うと憂鬱なもんだ」
 それに遊び人上がりの背後零だ。見守っているのか「覗き」に走っているのか知れ
たもんじゃない。
 そんな落ち着かない気分のまま、青年は長年付き合ってきた彼女と結婚した。
「果たして、まともな夫婦生活が果たせるものやら・・・」
 弱気の虫が出で、案の定なかなか子供に恵まれなかった。それもこれも背後でざわ
めき色めく助平爺さんの霊魂のせいである。
「もうそろそろ本腰を入れないと、我が家の系譜も絶えてしまうな」
 系譜などは、まぁどっちでも良いのたが、嫁さんに逃げられてしまう心配は本物で
ある。
 えんやこら、えんやこらと頑張っていると、背後でもやはり色めき立つ気配。
「また騒いでやがる。しかし思えば曾爺さんも可哀想なものだ。根っからの女好きな
のに、俺みたいなオッサンくさい男の守護役を押し付けられてさ。本当なら、もっと
可愛い女の子か何かの背後に引っ付いていたかったんだろうな」
 そんな事でも考えて気を逸らせていると、いつになく背に守護霊の存在を感じなく
なった。そして間もなく、あのゾワゾワするような感触が完全に消えた。
「ハテ、今日はお休みかもな。それならチャンスだ」
 男が久しぶりに全身全霊で事に没頭し、ついにフィニッシュというその時・・・
「ギョッ…。後ろかと思ってたら・・・!」
 何と、目の前に写真で見た事のある曾祖父の顔が微かに浮かんだ。
「前に回るとは、どこまで助平な守護霊だ〜〜!」
 怒りの勢いを借りるが如く、男は一気呵成に大仕事を果たして果てた。
 間もなく嫁のおめでたが確認された。そして数ヵ月後、元気な女の
子が無事生まれた。
「いやぁ、めでたい。素直に嬉しいもんだ。それにあれ以来、やくざな爺さんの気配
も背中から消えた。悩みがいっぺんに無くなって万万才だよ、ほんと」
 喜びながら抱き上げた我が娘の背後に、あの怪しげな気配が立ち上っているのを、
若き父親はまだ気づかなかった。
 ―――――――完―――――――

2002年03月28日22時33分10秒投稿

今日は、亀虫ぷっぷです。

3月23日 豊中市立伝統芸能館「落語本舗 こごろう堂」

出し物

●「江戸荒物」   林家 染左
●「ちりとてちん」 桂 こごろう
●「鬼の面」    桂 喜丸
●「桜の宮」    桂 こごろう

「ちりとてちん」は南光さんが初代春團治のテープから起こさはった噺。
そこにS枝氏っぽい嫌味な大工のタケとか例の茶碗蒸しなんかのギャグを付け加えて
整理したのが現在の形なんやそぉです。
従って南光さんのが一番面白いし印象も強い。
こごろうさんはどぉしてもインパクトの点で劣りますな。
独特の空気は有るんですけどね。
兎にも角にも師匠の十八番。
完璧に受け継いで一門の噺にしていただきたいもんです。

下ろしてから日の浅い「桜の宮」。
これも南光さんの得意ネタ。
まだ率なく無難にといぅ段階ですな。
定はんが耳の遠い叔父さんに出会う場面。
「おっさん今日は。」
「今日はやないがな。なんという格好しておるのじゃ。」
ちゃんと聞こえてるがな。
東京では「花見の仇討ち」。
タイトルはこっちの方がよろしいな。
よぉ大阪に桜の宮があってくれたもんです。

喜丸さんの「鬼の面」は小佐田先生が雀三郎さんのために書かはった噺。
少々ヒロインおせつの健気な可愛さが足りんよぉでしたな。
決して見た目と合わんとかそぉいうよぉな事が有るとか無いとか…まぁ有るかな?
因みに米朝師匠によりますと、五代目松鶴はあんなえらい顔と声で「次の御用日」の
‘とうやん’なんかをじつに可愛らしゅう演じたはったとか。
どぉかお気落としの無いよぉにね。
別に落としてない?
そらごめんごめん。

染左さんの「江戸荒物」。
例の各地の方言を紹介する枕は無し。
今時もぉええわね。
大阪弁東京弁の比較もね。
それは良かったんですけど、替わりに現在の言葉扱ぉてなんか出来んもんですかな。
その辺り、若い人なりの感覚でひと工夫していただきたかった。
噺自体は、ま、それなりに。

春のよぉな落語家になりたい…パンフレットにこぉありました。
米のよぉな落語家にはなりとぉないっちゅう訳ですな?
ん〜問題発言やね、これは。
何にしても明るくふわふわ楽しく爽やかのほほんと、ほん居心地のええ、こごろうさ
んの持ち味そのままの会でした。

2002年03月28日14時17分29秒投稿

S.S☆「ノイローゼ」☆     あや太郎

「君達、どうしたというんだ。怪しげな踊りをしたり、不敬な言葉を吐きまくったり」
「どうもこうも有りゃしない。何をやっても上手く行かず全くの不運、不幸続きなの
で、皆打ち揃い、何日も神に祈って来たんだが何一つ事態は好転しない。もうウンザ
リだ。こうなれば神を信じることなんか止めて、反対に神を恨み、神を呪う儀式でも
やらかそうという訳さ」
「何という哀れな連中だ。神を信じないとは不遜にも程がある。バチが当たるぞ」
「しかし信じても祈っても不幸続きなんだから同じじゃないか。恨み言を吐き出して
気晴らしできるだけでもマシだろうが」
「愚か者めが。そんな態度で神を信じていると言えるか。望みが叶わずとも幸せにな
れずとも、神を敬い神に感謝するのが真の信仰というものである」
「じゃあ、不幸のどん底に居る時はどんな風に感謝すればいいんだ?」
「無論・・・不幸にしてくださってアリガトウ、と手を合わせるのだ」
「じゃあ、いよいよ絶望した時には?」
「絶望させて下さってアリガトウ。これでもう怖いものはありません…と感謝すれば
良い。こんな簡単な事すら分からなくなってしまうとは情けない。そのままでは、お
前達ノイローゼになってしまうぞ、ハハハハハ・・・ハハハハハ・・・ハハハハハ」」
「分かった。そうならないように頑張るほかないな。こんな見本を見せられちゃ」
 ―――――――完―――――――

2002年03月26日21時43分49秒投稿

今日は、亀虫ぷっぷです。

すっぱり自ら議員辞職した場合。
「さぁすが辻元じゃぁ。
 国会議員たる者こぉでなかったらいかんわい。
 それに比べてあいつとこいつは…見苦しいのぉ。いじましいのぉ。あかんのぉ。」

議員辞職勧告決議案採決による辞職の場合。
「さぁすが辻元じゃぁ。
 あいつとこいつ道連れに心中しおった。
 野党議員たる者こぉでなかったらいかんわい。
 えらいやっちゃ。大したやっちゃ。見事な死に様じゃぁ。」

どっちに転んでも あ〜あ〜辛いのぉ〜自民党。

とまぁこんな筋書きちゃいますのん?おたかさん。
なんです?
「きっちり辞めなはれ〜!」
「きっちりごねますわぁ〜!」

もぉええて…。

2002年03月26日18時16分35秒投稿

 ひさかたの 光のどけき 春の日に
    つじもと議員 バッジ 散るらん
                   (紀友則)

2002年03月26日10時19分18秒投稿

今日は、会員番号245番です。 
 あや太郎さん、正直もほどほどに!
 辻本さんみたいな女の子、苦手です。

2002年03月26日07時57分24秒投稿

単発替え歌      あや太郎

 三月が終わらんうちに、「ミニモニ雛祭り」です・・
 
♪ミニモニ〜〜ひな祭りっ。
  身を揉み〜〜ひな祭りっ。
♪♪…大穴子〜は 願ってる〜、
    毎日、毎晩、ヒメ始め〜〜。
  …夢見てる〜間に 年が過ぎ〜〜、
    何にも無いまま 仏壇へ・・・
     逝っちゃった〜〜!
♪、あ、身を揉み〜〜ひな祭りっ。
   身悶え〜〜ヒメ始め…。 


代書:穴子(コメントは差し控えさせていただきます。)

2002年03月25日21時51分47秒投稿

今日は、亀虫ぷっぷです。

♪あ、社民〜辛い〜 始末きっちり

「違うでしょキヨミちゃん。
 きっちり辞めなはれ〜!」
「きっちりごねますわぁ〜!」
「辞めなはれ〜!」
「ごねますわぁ〜!」

2002年03月25日11時40分35秒投稿

            『ロズウェル事件』   ヘーパイ

 中国地方の山間部に“星の降る町”を売り文句にする田舎町がある。そ
の町の田園風景のただ中にスナックが一軒、ポツンと建っている。このス
ナックを訪ねた時、事件は起こった。店の名は(ロズウェル)と云った。

 店の内部はスナックを名乗りながらBOX席が多かった。一げん、であ
る私は遠慮してカウンターの片隅に腰を降ろした。宝生舞に似た小柄な女
の子がおシボリを持って現れ、私の隣に座った。一見して150cm程し
かない彼女の身体は非常に良く引き締まっている。殊にその腰回りの引き
締まりようは驚嘆に値するほどである。彼女は自らを“ベス”と名乗り、
私に水割りを勧めながら不思議な事を囁いた。
「この店の人間はママも女の子も皆地球人じゃないっちゃ」
「えっ、皆エイリアンってこと?!」
 私の言葉にベスは眉をしかめて唇を尖らせた。
「異星人と言って欲しいっちゃ」
 言われてみれば、店の女の子は一様に小柄で引き締まった身体をしてい
る。ただ、ママだけは地球人離れしたデブだった。
 へえ、そうなの、といい加減な相槌を打ちながらグラスを重ねる私は妙
な事柄に気付いた。時々、店の子と客が連れ立ってフロア隅にある扉の奥
に消えるのだ。この光景を見咎めた私の視線をベスが目聡く見つけた。
“あれは何?”私はベスの眼差しに目で尋ねた。
“行ってみる?”ベスの濡れた唇が艶っぽく動いた。
 コックリと頷く私の耳元に、小さい身体を精一杯伸ばしたベスが唇を寄
せて囁き声を吐き掛ける。「あなた、アブダクティーになるっちゃ」

 アブダクト・・誘拐か?・・思い出した。宇宙人の乗り物に連れ去られ
ながら後日、開放された者達をアブダクティーと呼ぶのだ。
 ベスに手を引かれた私はフロア隅の不思議な扉をくぐった。扉の奥は二
階に通じる階段になっている。二階にはいくつかの小部屋があった。私と
ベスはその内の“空き”の札がある部屋を選んで中に入った。
 薄赤い照明の下でベスは惜しげも無く衣装を全て脱ぎ捨てた。私は抜け
るような白い肌を持った異星人の細い身体を両腕の中に抱きしめた。
 数分間の愛撫の後に、私の中心でいきり立つ私自身の分身が、ベスの身
体の中で、彼女の腰よりももっと引き締まった部分に辿り着いていた。
 頭の芯までしびれる様な快感と共に、私は彼女の中に私の全てをぶちま
けた。

 事を終えても私は暫く彼女と共にしとねに身を横たえていた。だが、や
がて身を起こしたベスは枕もとの時計を確認した。どうやらアブダクトに
は時間制限があるらしい。一足先にシャワーを済ました彼女が、私にも
シャワーと身仕度を促した。
 部屋から出る前にベスは開放の条件を提示した。一万三千円の支払いが
必要だと言う。私は財布から一万円と五千円の二枚の札を引っ張り出すと
彼女の手に握らせた。
 お釣りは要らない、と言うと彼女は「あんた、いい人だっちゃ」とニッ
コリ笑って言ってくれた。

 カウンターに戻って一杯だけ飲み直してから「行くわ」と言った。する
とカウンターの奥で異星人の親玉であるママが部屋の使用料と併せて八千
円の飲み代を請求して来た。私は一万円札を差し出したが、今度はちゃん
とお釣りを受け取った。地球製としか思えない百円ライターと共に二千円
が私の手元に戻った。ライターには“ロズウェル”と店の名が刷り込まれ
ている。
 ベスが私の肘にぶら下がる様にして玄関まで送ってくれた。
「さよなら」と言って私が手を振ると、ベスは宝生舞の顔でニコッと笑っ
てミニスカートの腰をチョコッとかがめる可愛い仕草を見せた。
 夜空には、降るような星が一面に輝いていた。

 事件の夜からどれほどの時を経ただろう。私には一つ気掛かりな事があ
る。ベスに抽出された私の粘ついたD.N.A.の件である。それは異星
人達の手に依って徹底的に解析されただろう。もしかしたら私のクローン
どもが地球上にばら撒かれ悪さをしでかすかも知れない。不安である。
                ―しまい―

2002年03月24日22時37分36秒投稿

S.S☆「居眠り狂四郎」☆     あや太郎

「あなたが、あの有名な眠り狂四郎のご子孫か?」
「左様」
「では剣の腕前もかなりのものであろうな」
「皆は先祖以上だと言っておる。しかし一つ悪い癖も受け継いでなぁ」
「それはどのような?」
「すぐに眠気に襲われるじゃ。こうしておる内にも眠とうて眠とうて、ファ〜〜ア」
「眠ってしまった。どうれ、一つ試してやるか…」
・・・ボカッ!・・・
「ギャッ…!」
「他愛もない、あっさり打たれて又伸びてしもうた。という事は先祖の眠り狂四郎も
実際には大した事はなかったな?」
 なにせ「居眠り」してるだけでも、これだけ無力なのだ。熟睡している狂四郎なら
楽勝であろう。
 武芸者はまた新しい強敵を求めて旅立った。
―――――――――完――――――――

2002年03月24日21時19分17秒投稿

            『プロジェクト龍太郎』   ヘーパイ

 大阪市内某所では胡散臭げな連中が集結して、上岡龍太郎をTV出演さ
せる方策について議論を繰り広げていた。彼らこそは選ばれし者達、上岡
龍太郎保存会のメンバー達であった。

まず、円卓の頂点を陣取る議長が声を発した。
「本日はメンバー中の二名より新たなるアイデアの提出があったので議会
を召集しました。皆さんで二名のアイデアについての詮議をお願いしま
す。では最初の方、はりきってどうぞ!」
 気弱そうな男性が立ち上がり意見を述べ始めた。
「正攻法ではありますが、ナイトスクープを利用しようと思います。視聴
者として依頼書を送付いたします。内容は・・」
 彼の考えた依頼文が披露された。
(私はカラオケで上岡初代局長の“もうすぐ三十”を歌うたびに涙がこぼ
れます。他の人はどうなのでしょう、調べて下さい)
 彼の考えでは、カラオケルームで依頼者が“もうすぐ三十”を歌う。何
度歌っても涙を流す依頼者の横に唐突を装って、局の仕込みの上岡御大が
現れ感動の場面が展開する。こう言うのだ。
 対面する理屈っぽい顔の男が異議をとなえた。
「三つの理由でその案は実行不可能です。まず“もうすぐ三十”でアンタ
は泣けるのかね。さらにその依頼をナイトスクープが取り上げるだろう
か。仮にその二点をクリアしてもだ、私はカラオケルームで上岡さんの分
であろうとミミの物であろうと“もうすぐ三十”を見つけた事がない。
以上です」
 全員が理屈男に同意したのは明らかだった。
「次のメンバー、発表して下さい」
 議長の声に立ち上がったのは、見目麗しい女性だった。
「私はフジテレビの“ものまね王座決定戦!”を利用します。あの番組で
島倉、都はるみ、チーターと云った演歌の大御所のまねをすると一番と二
番の間奏に当の本人がしばしば現れます」
“もうすぐ三十”の歌まねをすれば、それと同様に龍太郎師匠が現れるの
では、と女性メンバーは主張するのだった。
 先の理屈男によって異議はすぐさま唱えられた。
「かつて御大のものまねを試みたのは、松村、キッチュと云った極少数で
す。しかも誰一人似ていた人物はいません。仮にものまね芸人を育てたと
して“もうすぐ三十”が全国ネットで通用するでしょうか。おそらく“も
うすぐ三十”の全国的認識率は小数点以下に大量の零が並ぶ様なパーセン
テージと思われます。残念ながら彼女の案は無効です」

 議長の手元の木槌がドンッ!と音を立てた。議会は閉じられ、メンバー
一同は再び冥界の暗闇へと、散りぢりに消えた。
 がんばれ上岡龍太郎保存会、残された時間は後僅かなのだ。
              ―しまい―

2002年03月24日11時42分05秒投稿

S.S☆「クローン鈴虫」☆     あや太郎

 リーン…リーン…と虫の音が聞こえる。妙なる鈴虫の音色であった。
 リン、リン、と鳴く他の鈴虫を遥かに凌ぐ優美な音色で今年の鳴き比べbPが決定
した。
「草野さん所の鈴虫は毎年のように優勝してるよ。羨ましい限りだが、どうやったら
そんな音の良い鈴虫を見つけられるんです?」
「あなただけにお教えしましょう。ここだけの話ですがクローン鈴虫なんですよ。最
初に見つけた良い音色の鈴虫の遺伝子をクローン技術で増殖させて、どんどん鳴き上
手の鈴虫を作るという訳です。その中から元気に育った良い音色のモノを選りすぐ
り、コンテストに出した後はまたタネ鈴虫として同胞を増やしてもらう。そうすれば
毎年のコンテストに勝つぐらいワケないですよ」
「何と、クローンでしたか。でも大丈夫ですか?世界的にはクローン生物の研究を違
法だとしている国が多いようだし、規制に引っかかりませんかねぇ」
「ニンゲン自身のクローン実験にはまだまだ反対が多いですが、動物レベルでは曖昧
なもんでしょう。魚の養殖なんか、もう色んなクローン種が店先に出回ってます。鈴
虫やコオロギなんて誰も注意してませんよ、実際の話」
「そう言えばそうかな。でも何故、魚や虫ならお目こぼししてくれるんでしょう
ねぇ。あれも自然の生態系の一環なのに、ずいぶん無神経な話だ」
「そこなんですよ。私がクローン鈴虫を養殖してるのにはもう一つの理由がありましてね。
クローン鈴虫が世に出回って、もう商売にならなくなったら
野放し状態のそういうクローン生物を生き証人として、一転クローン生物反対を唱え
るんですな。立候補すれば、心配性の自然主義者の票を得て、盗泉確実ですよ!」
「そこまでヤル?いよいよ、リンリ、リンリとやかましくなりそうだ」
―――――――完――――――

2002年03月23日21時39分10秒投稿

今日は、亀虫ぷっぷです。

NHK「あすを読む」解説委員の某氏。
「イスラム世界の反米こん…感情が云々。」

〈反米根性〉ですか。
感情よりずぅっと根が深かそぉですな。
〈反イスラエル根性〉〈反パレスチナ難民根性〉なんかぴったりやね。
泥沼状態だけに蓮根性、なんてね。

ところで議員さんには〈反盗人根性〉ちゅうのは無いの?キヨミちゃん!

2002年03月23日17時34分36秒投稿

S.S☆「身投げ詐欺」☆     あや太郎

「もうこれだけの借金が出来たらしょうがないわ。覚悟してね、お父さん」
「分かった。じゃあ、行って来る…」
 憔悴しきった顔で年老いた父親は夜の町へ出た。
 人通りも疎らな橋の上に立ち止まると、やおら橋の欄干を跨ぎ始めた。
「待て〜〜何をするんだ!」
 通りかがった恰幅の良い紳士が止めに入る。
「止めないでくれ。もう借金でクビが回らないんだ」
「死んで花実が咲くものか。落ち着きなさい!」
 通報を受けた警官も説得に入る。事情を聞けば良くある倒産話だった。
「何がして上げられるという訳じゃないが、ともあれ我々としては見過ごすわけには
行かない。また相談する所を紹介するから、決して軽率な事はしないように」
 厳重注意を受けて老人は帰宅した。
「ミスったなぁ。金を持っていそうだったから、狂言を打ったのに、自分もリストラ
されたばかりだが、お互い頑張ろうってシケた結末だ。お前の書いた筋書きを活かせ
ず残念だよ。芝居や落語みたいには行かねぇなぁ」
 しかし才気走った目つきの娘は、まんざらでもない顔で言った。
「大丈夫よ、お父さん。これでちゃんと実績を作れたから」
「実績?」
「気にしない、気にしない。さぁ、今日は一杯やって、もう休んで」
 翌朝、父娘の家の前に救急車とパトカーが駆けつけていた。
「やはりお父さんは借金を苦にした末に?」
「ハイ、昨日の夜も暗い顔でお酒を煽って、そのまま寝てしまいました。覚悟の上の
ことだと思います」
 眼を真っ赤に泣き腫らした娘の前には睡眠薬自殺をしたらしき父親の遺体が横た
わっていた。
「そうですか。いや、交番の者も相談所など紹介したんですが、その話は…?」
「いいえ。身投げしかけた事も言いませんでした。どうしても生命保険で借金を返す
つもりだったようです。私に苦労をかけないように・・・ヨヨヨヨ」
「保険契約から三年以上経ってますからね。それは叶えられるでしょうが、それにし
ても残念な結果に…」
「お父さーん」
 ワッと泣き出すと一同貰い泣きするほかなかった。
 四十九日が過ぎた頃、娘は家を売り払い、どこへともなく姿を消した。
 ヨーロッパ行きの便が出る空港ロビーにその娘の姿があった。
「ありがとう、お父さん。お蔭で夢が叶ったわ。不景気な日本なんか捨てて憧れの
ヨーロッパで楽しく人生をやり直します。本当にありがとう、お父さん。誰にも疑わ
れないような実績を作ってくれたお蔭で上手く行ったわ・・・本当の筋書きのほうも」
―――――――完―――――――

2002年03月22日17時10分47秒投稿

S.S☆「怒り狂えるモノたち」☆     あや太郎

「…というわけで、今回流行した牛の病気自体は収束状態に入ったと見られますが、
まだ国民の『牛』への恐怖心は根深く、政府の対応への不信感とも相まって、いよい
よ牛肉離れが深刻になりそうな情勢です。最後にコメンテーターの品津右京さんから
一言どうぞ」
「私も国民の皆さん同様、不信感を禁じえません。関係当局が。絶対…絶対…ゼーッ
タイ安全だと保証してくれるまで、ゼーッタイ牛肉は食べません!」
「それでは、今夜のニュースを終わります・・・」
 プチンとスイッチを切りながら、肉屋と焼肉屋組合の面々は怒りを露にした。
「無責任な事ばっかり言いやがって。百%安全な食べ物なんて、どこにあるんだよ。
ああいう強引な論法で、我々食肉業者はどれほど泣かされてるか。いっぺんああいう
無責任な文化人やニュースキャスターの連中を鉄板焼にしてやろうか」
「全くだ。いや、被害者は我々人間だけじゃないよ。焼却処分される牛のほうがむし
ろ可哀想だ。何の役にも立てず、ただ殺されて焼き捨てられちゃうんたからね。一体
何のために生まれて来たんだ!って、きっと見えない所で怒ってるよ」
「ボヤく気持ちは分かるけど、しかしまぁしょうがないさ。人間に移らないって保証
はないし、それで死なないって保証も無い。第一、ニュースなんかで牛どもが狂い死
にしてる姿を見てると我々だって怖くなってくるよ。あんな狂い死にはしたくないか
らね」
「そうだなぁ。当面は牛をブタやトリに代えて凌ぐとするか。あぁ、それでも一日も
早く牛肉が名誉回復・復権できるように祈るよ。牛達のためにもね」
 そんな調子で愚痴話が一段落した頃、各地の牧場、牛舎でも怒りの声が飛び交って
いた、
「…人間の身勝手にも愛想が尽きる。百%安全な牛肉だと?殺された怨念の塊みたい
な我々の肉が、そもそも安全な訳ないだろう!祟られなかったら御の字だ。業者も業
者だよ。
空しく焼却される牛が可哀想そうだと?焼かれて食われても、焼かれて捨てられても
おんなじだ。可哀想だと思うなら一頭一頭戒名をつけて墓でも建てろ!」
「全くだよ。その前に、あの病名…何とかならないのかねぇ。気分が悪いったらあ
りゃしない。狂う牛だなんて誤解されるじゃないか。あれは脳味噌がスポンジ状に
なって神経障害が起きるって病気だろう?何もイタイ牛じゃないんだからな。じゃ
あ、何かい・・・脳味噌がスポンジ状になるアルツハイマーは『狂人病』って言うの
かい?そんなこと言ったら人権問題で訴えられるだろうさ。本当に良いかげんな生き
物だよ、人間って。何なら我々も人権問題として訴えてやろうか?」
「それはヤメとこう。だって、恥ずかしいじゃないか……牛に人権が認められたらニ
ンゲンも同じだ」
「しかし・・・いっぺん人間になってみたい気もするなぁ」
「どうしてだ?」
「人間になって・・・一度は焼き肉を食べてみたいもんだ」
「ヤな趣味だねぇ。それじゃ共食いじゃないか」
「でも知らないうちに食わされるよりはマシだぜ・・・肉骨粉をさ」
―――――――完―――――――

2002年03月21日21時33分08秒投稿

 こんにちは、会員番号245番です。
 お誕生日おめでとうございます。60歳ですか、もうすっかりおじいさん髪の毛も
真っ白となり、歯もがたがた、おまけに記憶もあやしく、言った事やったことも全て
忘れて、また芸能界にもどってきません?
 今は政界のほうがおもしろく、辻本さんに話題が集中、宗男さんも少し影が薄くなっ
ています、もう少ししたら「みそぎは済んだ。」って言ってもどってきはるのは、み
えみえですからね。
 上岡さんが、芸能活動しても、だれもなにもいいませんよ。マラソンのほうもいけ
るんですか?
 まあけったいなおっさんやから、楽しみやねんけどね。
 21人は待ってますよ。

2002年03月21日20時49分57秒投稿

       『懺悔の値打ちも無いけれど』   ヘーパイ
     ―バファリンのCMからのインスパイア―

 新幹線で一人旅をする6〜7歳位の女の子が画面に登場。
 場面転換して、一般家庭のキッチンで炊事仕事をする女性が映し出され
る。女性は頭痛に悩んでいるらしく、顔をしかめては頻りに手をこめかみ
辺りにもって行く。

 再び少女登場。東京駅あたりに到着したらしく構内の雑踏の中で心細げ
な表情のまま、目の前を行き過ぎる大勢の人達を眺めている。
 雑踏の中、唐突に爽やかな笑顔の女性が登場した。女性は先ほどキッチ
ンで頭痛をこらえていた人物だった。
「ママー!」喜びに輝く表情を見せた少女は、その女性に飛び付いた。
少女は彼女のお出迎えを待っていたのだ。

 母子が家に帰り付くと玄関先に制服警官数人と一人の私服刑事が待ち構
えていた。刑事が懐から家宅捜査令状を取り出す。顔色を変える母親。
 刑事の合図で警官は屋内へと駆け込む。程なく警官達が家の中から姿を
現す。彼らの手には白い粉の入った小さなビニール袋、注射器、アルコー
ルランプ、使い込まれた焦げ跡のあるティースプーンと云った証拠物件が
握られていた。

 クレーンカメラのアームが持ち上げられ、引きになった画面の中で女性
は刑事に手錠をうたれるのであった。

 場面転換して、鉄格子が影を落とす独房の床が映し出される。傍らには
髪を切り詰めた受刑者服姿のあの母親がいた。
 
 ナレーターの声「あなたを待っている人がいます」
 少女の声が後を追う「ママァ――――!」
 画面全体がぼやけて、スーパーインポーズが入ります。
(覚せい剤は、使用上の注意をよく読んでお使い下さい)
           ―しまい―

2002年03月21日16時13分41秒投稿

はじめまして,
cdcと申します。
上岡さんがアメリカに渡ってはや2年、
復帰の足音は聞こえそうにないですね。
でも人には真似できんでしょうな。
惜しむ声を完全無視(笑)してゴルフやるっていうのは。
「帰ってきてくださいよ」とか言われたら
心動いて「1年だけ帰るかな」
みたいな考えに大概の人がなる
のに、切りよくやめるっていうのは
らしいですよね。

ジョーダン復帰に合わせて帰ってくるかと
思ってたのに(笑)
SPEED解散に合わせて辞めたぐらいだから(笑)

2002年03月21日02時44分37秒投稿

滅多に蕎麦を食べない私が風変わりな張り紙に引き寄せられてしまった。
黄色い紙に書かれた赤い文字に最初は 「趣味悪う〜」 と思いつつも
気が付けば 矢印を3つも追いかけていた。
おまけに一番高い 「ニシン蕎麦」 なんかを頼んでいたりするもんだから
見知らぬ土地というのは、本当に不思議だ。後でお水を沢山飲んだけど。

滅多に葉書を買わない私がレトロな喫茶店で郵便局の場所を尋ねていた。
「人生とはなんぞや・・・?」 と、朧げに川沿いを歩いていただけなのに
なぜか文字を書きたくなってしまうのだから桜ってヤツは、本当に変な花だ。

人は人、吾はわれ也 とにかくに吾行く道を吾は行なり・・・かぁ。

                                    
  まるびー

2002年03月20日23時51分21秒投稿

S.S☆「封筒から白い…」☆     あや太郎

「キャ〜〜!」
 突如、オフィスでOLが絶叫した。
「な、なんだ?なにが起きた?」
「封筒から…白いものが…」
「何と、また何かの病原菌か?気をつけろ。決して手に触れるな」
「触りません。気持ち悪くって…」
「何処からの手紙だ。差出人は分かるか?」
「ハイ、それは分かってます。…私の彼氏からなので」
「何、彼氏?ハハーン、最近別れたか何かしたんだね。君が振ったのを恨みに思って」
「いいえ、別れるどころか、来春には結婚の予定なんです」
「じゃあ、大喧嘩でもしてる最中かい…?」
「ぜーんぜん。それどころか仕事で東西に別れてて、なかなか会う事も出来ないんで
す。でも来年、彼が本社勤務で戻ってくるので、やっと結婚できるって喜んでたのに…」
「それじゃ、一体何の真似なんだ。恋人のキミに、そんなモノを送りつけるだなんて」
「やっぱり、会える回数が少ないから…欲求不満なんでしょうねぇ」
「欲求不満ぐらいで、そんな人騒がせな事をするって言うのか?こんな物騒なご時世に、
紛らわしい白い粉を送ってくるだなんて」
「いえ、部長。白い粉じゃなくって・・・白い液なんですよ。やっぱり付き合いを考
え直したほうが良いかしら?」
「別れろ〜〜!」
―――――――――完―――――――――

2002年03月20日21時50分18秒投稿

失礼致します ナックルボールでございます

上岡龍太郎 還暦記念奉納ショート漫才

A:どーも皆さんこんにちわ!
B:よーこそ いらっしゃいました!
A:しかし あの上岡さんが還暦やてなぁ
B:ほんまほんま あんなおっさんでも還暦かぁ・・・
  ようここまで刺されもせんと生きてきたもんや!
A:あんなおっさんて君・・・昔は結構採用されて
  たんやろ?
B:されてたけど そんなん関係あれへんわ
  それを言うねんやったら どんだけ俺らが
  遊び相手になったったと思てるねん
  それやのに勝手に辞めくさって 
  それで久々に出てきた思たら 毒にも薬にも
  ならん本なんか出して老後の蓄えに
  しやがって!せやけどサイン会の時は客が少のうて
  足立克巳の本にもサインしてたんやで!
A:アホか!なんぼなんでもそれはないやろ
B:いや あのままやったら 占いや風水の本にも
  サインしかねん勢いやったらしいで!
  そんなんやったらタレントに戻ったらええねん
  「戻ってあげます!」言うてね タレントでも
  無いのにタレントみたいな顔してる奴 一杯
  居るねんから!
A:それで思い出したけど 最近よう見るのは
  和泉元彌のオカンやね あのおばはんは
  一体何を考えとるんやろねぇ 大体息子の
  夫婦生活に口出したら ろくなことがないのに
B:ほんまほんま 君の言う通りや!
  せやけどあきちゃんも大変やねぇ伝統芸能の
  家に嫁いで 気苦労が絶えんと思うわ!
A:そうそう 伝統芸能の世界は難しいからねぇ・・・
  それにしても今日は君と意見が合うなぁ・・・
  いつもやったら もうそろそろ訳の解らん事を
  言い出すのに・・・
B:失礼なことを言いなさんな!僕がいつ訳の解らん事
  言いました?伝統芸能の家に嫁いだあきちゃんの
  事を心配するのに 訳の解るも解らんもないやろ!
  そんな事より 彼女の身体の心配をしてあげなさい
A:よ〜解ってるがな ほんとにねぇ身重やねんから
  身体は大切にして欲しいね
B:ほんとほんと せやけどもう大丈夫やろ!
  マラソン出来るくらいに回復したんやから!
A:ちょ・・ちょっとマテェ〜 それやそれや始まったがな
  君の訳の解らん話が!あのなぁ僕の言うてるのは
  姑との仲に悩んでるあきちゃんやで?                   
   
B:そーや 姑と仲に悩んでるあきちゃんやで
A:伝統芸能の家に嫁いだあきちゃんのことやで?
B:解ってるよ 伝統芸能の家に嫁いだあきちゃんや
A:安心したぁ うまいこと繋がってるがな もういっぺん
  聞くけど身重の身体で頑張ってるあきちゃんのことやで?
B:知ってるよ 身体が悪かったけどマラソンが出来る
  までに回復したあきちゃんのことやろ
A:そこやそこや解らんのは!おまえ誰のこと言うてるんや
  俺の言うてるのは 和泉家に嫁いだあきちゃんやで
B:もちろんやがな 和泉家のあきちゃんや 菊丸の嫁ハンの
A:それやおかしいのは!菊丸てなんや?                   
    
  お前の言うてるのは「独占女の60分」の 泉アキ!!
  こっちは和泉家の嫁の羽野亜紀!本名和泉亜紀じゃ!
B:せやから癌になって余命が危なかった 泉アキやろ?!
A:アホか!嫁と余命て全然違うやないか!それに
  顔も見てくれも正反対やないか!
B:そーかぁ・・いやおかしいとは思たんや 今ごろになって
  泉アキて・・またマウイマラソンを走った話するんかなぁ
  と思てな 時期やしなぁそれに伝統芸能や言うやろ・・・
A:全然違うがな こっちは狂言師でそっちは噺家やど!
B:そうかなぁ よう似たもんやでぇ・・・
A:どこが似とんねん
B:最近はどっちも副業に一生懸命やがな
A:もうええわ!!
  
ドンド〜ン!!

2002年03月20日21時25分29秒投稿

たかさごの穴子

上岡さん、今日、「還暦」を迎えられるんですね。
おめでとうございます。
ほんで、今どこ? カリフォルニアか?
ほたらまだ20日になってないんかなあ?
ちょっとフライングかも?

暦が還ったから「新しい気持ちで芸界へ入ろう」とか言うて、もどって来たりし
て…。

「一言」に書こうと思ったんですが、使用不能で…。
こんなときに…「ちっ!」…空気読めよ〜〜〜って、誰に言うたらええの?

2002年03月20日12時27分22秒投稿

S.S☆「試練」☆     あや太郎

「人を試すのは良くない事である。特に人の心を試すのは最も良くない。倫理的、道
義的に許されざる行為である」
「でも神様。神様はよく人に『試練』を与えられますよね。あれって人を試してるん
じゃないんですか?」
「我々、神々の与える試験は、人間が耐え得る、乗り越えられる試験だ。だからこれ
は試している事にはならない。出来ることをやり遂げなさいと指導しているのだからな」
「でも大抵の人間は自分の限界を知りませんからね。乗り切れるかどうか分からない
まま藻掻いてる訳ですよ。それは忍耐の限界を超えていますよ。やり過ぎじゃないで
すか」
「そんな事はない。たとえどんなに辛くとも、神を信じる気持ちさえあれば耐えられ
る。要は、神を信じられるかどうか心の問題なのだ」
「つまり・・・心を試してる訳ですね?」
「そうそう・・・いや、そうじゃなくて…!」
「神の国の掟により・・クビ!」
  ――――――完―――――――

2002年03月19日21時51分15秒投稿

S.S☆「愛しの眠り姫」☆     あや太郎

 いささか倦怠気味のカップルが暇つぶしの会話に及んでいた。
「ねぇ。私ってまだ魅力ある?」
「魅力?ふむ、そりゃあ、有るさ。そうでなきゃ、とっくに別れてるよ」
「まぁね。でも最近の私たちって本当にダレ切ってると思わない?」
「まぁもダレてると言えばダレてるだろうな。なにせ付き合って長いんだもん」
「やっぱり色気も何も無くなったって所かしら」
「そんな事もないだろう。まだまだキミと居るとムラムラする事があるよ」
「あら、本当?そんなにムラムラする?」
「するさ。ムラムラっと…眠気が湧いて来る」
  ――――――完―――――――

2002年03月18日21時17分26秒投稿

おぴょぴょ

 昨日の朝刊を見ておりますと、大阪府立高校の入試問題が載ってたので読んで
みました。
う〜ん結構簡単? 倍率を考えると、普段から授業をちゃんと受けてたら、特に受
験勉強なぞせんでも落ちんのでしょうな。


 > まだまだおるんやろね。
 個人的には次は、○朝○の族議員・日○○軍の表の顔、辻元先生をマスコミの皆さ
んに吊るし上げてほしいと、まあこのように思うわけであります。
 昨日やっと下のリンクがマスコミに出たし
http://www.cafeglobe.com/special/01_nov/girls/g011112.html
が、ここに
http://www.sankei.co.jp/news/020317/morning/17na1002.htm

2002年03月18日13時58分35秒投稿

下駄屋の喜六

トカゲの尻尾切り的な北海道のS木宗男と山形のK藤鉱一の離党。それだけではすまん
と思うよ。島根のA木幹雄、広島のK井静香、熊本のM岡利勝、大阪のN山正揮、宮城の
M塚博、兵庫のI井一も怪しいなあ。

まだまだおるんやろね。

2002年03月17日23時43分26秒投稿

         『三丁目の夕日』  ヘーパイ

 男はひまを持て余していた。遊び相手がいないのだ。友人がいないわけ
では無かった。只、他人とは遊びの趣味が合わないのだ。
 男は少年時代には紛れも無い人気者だった。ある種のヒーローと云って
も良かった。ビー玉、べったん、ジャンケリ、けんだま、凡そ当時の少年
達が競って行う遊戯に於いて、彼は並ぶ物の無いほどの達人的存在だっ
た。
 分けてもベイゴマ、彼らの地域では“バイ”と呼び習わされる鋳鉄製の
コマを使用する喧嘩ゴマに於いて、彼の技量は神格化されているほどだっ
た。子供の頃、近所の銭湯脇の空き地で、彼と仲間の少年達は夕日が西に
沈み切ってしまうまでバイや、べったんの技を競い合ったものであった。
 ところが少年達が成長すると遊びの興味は別の物へと移行して行く。甚
だしい奴になると、勉強に力を入れ出して塾通いなど始める始末だ。
 そうやって少年達の社交場である銭湯脇の空き地から一人、また一人と
櫛の歯が欠けるように子供達の姿が消えた。
 残ったのは、男、ただ一人となった。
 以来、男の時間は止まっていた。社会人にはなったが“ゴルフへ行かな
いか”と云う同僚の誘いに応じたことは無かった。彼は今でも同僚から
“バイしようや・・、べったんやらへんか”と誘われないだろうかと、心
待ちにしているのだ。
 今や都会には銭湯も銭湯脇の空き地も存在しなくなった。行き場すら失
った男は消費しようの無い時間を狭いアパートの一室で、テレビを相手に
空しく過ごしていた。そのテレビが聞き捨てならぬ事を言っていた。
 近頃の小学生の間で流行っている遊び、と云うテーマだった。まず囲碁
がブームらしい。囲碁とはオジン臭いと男は思ったが、火付け役は少年ジ
ャンプのヒカルの碁、とか云う漫画だと聞き納得した。問題は次だった。
メンコとベイブレードも流行していると言うのだ。
 メンコとは何事ぞ、関西人なら“べったん”やろが。男は少し憤慨した
が“べったん”の復権は嬉しい。そのメンコが画面に映し出された。男の
良く知っているべったんに、何やらプラスチックの枠の様なものが取り付
けられていた。
 べったんのルールと云えば地べたに置いた相手のべったんに自分のべっ
たんを上から強く叩きつけ、相手のべったんを裏向きに返せば勝ちと云う
ものである。この技術を会得するにはなかなかの修練が必要だ。ところが
プラスチックの枠を付ける事によって安易にひっくり返しが出来るように
したようなのだ。なんと軟弱な・・と、男は呆れた。
 次にベイブレードなるものが画面に登場した。丸いエリアの中で回転す
る二つのコマを戦わせ、弾き出されたコマが負け、とまるで“バイ”と変
わらぬ遊びである。只、コマがプラスチック製である。さらに困ったこと
にコマに紐を巻きつけて投げ付ける、という技を使ってコマに回転を与え
るのでは無く、ゼンマイ仕掛けの様な道具を使ってコマを回していた。
 男は自分が大切に守って来た文化遺産を足蹴にされた様な不快感を覚
えた。テレビ画面がCMに切り替わったとき、男は全身に怒りの炎を燃え
立たせて直立していた。唐突に男は押入れの襖を開け放った。奥に仕舞っ
てあった木製の茶箱を引っ張り出す。ふたを開けると、べったん、バイ、
ビー玉が綺麗に並べ分けられてぎっしり詰まっていた。
 その中からバイとべったんを無造作につかみ出しポケットにねじ込むと
部屋を出た。アパートの玄関に古い碁盤が放置されている。男はそれを抱
えると近所の公園に向けて走った。この時刻には塾の迎えのバスを待つ少
年達が公園にたむろしていることを男は知っていた。
 あの少年達に正しい文化を伝えねば。せめてオレの膝元にいる子供達を
ベイブレードやメンコと云う愚劣で、低俗な文化に染まらせてはならな
い。息せき切って走る男の心は、熱い使命感に燃えていた。

 どんっ、と勢いよく碁盤を公園の中央に据えて、男は叫んだ。
「おいっ、前途洋々たる少年達よ、よっく聞け。塾の勉強も大切だろう。
けど真実を見抜く眼力はもっと大事なのだ。オレが今から真の技を君達に
披露してやる。とくと見るが良い」
 云い終わるや否や、男は膨らんだポケットから取り出したバイに紐を巻
き付け、スナップを利かせた手練の技でバイを碁盤目掛けて投げ付けた。
男の神技は錆び付いていなかった。鈍い光を放ち高速回転するバイは碁盤
の端に一旦ぶつかり、高く跳躍したかと見ると碁盤の中央に落下し、その
場で微動だにする事無く回り続けた。
 遠巻きにしていた子供達の輪が少し狭まった。
「おっちゃん、上手やなあ!」
 調子者らしい一人の少年が声を掛けた。だが、久しぶりに人前でバイを
握った男は陶酔しきっているのか、声に反応しない。無言の男の手が動
き、続いてポケットから取り出されたのは、波島進の肖像が刷り込まれた
べったんだった。丹念に蝋を塗り込められ光沢を持ったそのべったんは、
男の腕が弓の如くにしなると同時に“パッシーン”と鮮やかに乾いた音を
響かせて、碁盤の中央辺りに叩きつけられた。ブンッ、と唸りを上げてバ
イが回転を止めぬままに盤外に弾き飛ばされた。
 予想もつかない男の奇行に居合わせた子供達は呆気に取られた。男が声
を上げた。
「碁盤の上で回したバイをべったんで弾き飛ばす。今はこれがいっちゃん
ナウいんや!」ナウいんや!ナウいんや!ナウいんや!・・・男の叫びが
夕焼け空にこだました。
 男の陶酔は今や倒錯へと変わっていた。自分がなにを叫んでいるのか理
解していなかった。それ故、子供達には理解不可能な言葉と化した“ナウ
い”なぞと云う死語を声高に叫んだのだ。自分を取り巻く子供達の輪が少
しづつ、少しづつ遠のいて行くのを気にも留めず、男はバイを連続して回
し続けた。そして勢いよく回り続けるバイを今度は片端から大瀬康一の、
倉岡伸太郎の、千葉真一のヒーロー像が刷り込まれたべったんで次々に叩
き落として行った。
 大きな夕日が真っ赤に燃えていた。カラスが数羽家路を急いでいた。そ
んな三丁目の夕空に、パッシーン!と云うべったんの打ち付けられる乾い
た音と「どやっ、ナウいやろ!」と云う威勢良くも間の抜けた男の叫び
が、いつまでも、いつまでも響き続けるのであった。
                 ―しまい―

2002年03月17日17時59分20秒投稿

S.S☆「汝、堪忍する無かれ」☆     あや太郎

 年の瀬も押し詰まった頃、街行く人々に説法する伝道師がいた。
「汝、姦淫する無かれ。心の中でイヤらしい事を考えただけでも、それは実行したの
と同じぐらい罪深いことなのです。人を憎んだり悪事を働こうと思ったり、ましてや
人を殺そうなどと思っている人は悔い改めなさい。たとえ法律では裁かれなくとも神
の罰は下ります。神様はみんなの心の中をすべてお見通しなのです」
「それって・・・覗きじゃなーい」
「いや、あのね・・・そうではなくって……」
「考えを盗み見るって事は、盗聴やハッカーと同じだよなぁ」
「キミたち・・・それは神様を冒涜している。神様は何も無断で他人の心を覗き込ん
でる訳ではないのです。神は我々と一体です。神は我々と共に居るのです」
「ヤだ~~。それじゃ、ストーカーじゃん。早く取り締まってもらわなくちゃ」
「そうじゃないったら…。もうイタブルのは許したまえ」
「いいや。許せない。そんな出鱈目を野放しにしてるから、世の中、乱れるんだわ」
「汝、堪忍するなかれ!」
「ほーんと、油断も隙もならないご時勢になっちまった」
「物騒で怖いわぁ。早く安心できる世の中にならないものかしら」
「じゃあ、みんなで祈ろうよ」
 そして全員が合掌し頭を垂れ、祈りを捧げた。
「おぉ、神よ・・・心に平安を。そして地上に本当の平和を!」
 ――――――――――完――――――――

2002年03月16日21時43分53秒投稿

          『正義の保安官』     ヘーパイ

 開拓時代のアメリカ西部。そこには強盗、ギャング、ならず者といった
手合いの悪党どもが跳梁跋扈し、善良なる入植者達の財産を狙い、その生
命に危険を及ぼしていた。しかしそんな無法地帯にも正義は存在した。
 スラリとした長身を鍛え抜いた筋肉で武装し、白い愛馬で荒野を駆け抜
ける連邦保安官。彼こそが建国間もないアメリカ合衆国に於ける力と正義
の具現者であった。彼が腰に帯びたシルバーに輝く二丁の拳銃は悪者ども
の前で容赦なく火を噴いた。駅馬車が、開拓者達の乗る幌馬車が、満足に
我が身を護る術を持たぬ農場の家族達が、今や悪党どもの暴力によって蹂
躙されようとしている。そんな瞬間に彼は必ず愛馬に跨り颯爽と現れて、
無法者どもに正義の銃弾をお見舞いするのだ。
 彼の電光石火の早業によって常にフロンティアは静かな平和を取り戻
すことが出来た。開拓者達の感謝と賛美の声を背中で聞き流しながら彼は
再び疾風となって地平線の向こうへと姿を消すのであった。
 この連邦保安官こそは開拓者達の英雄であり、その子供たちの憧れのヒ
ーローであった。
 ある日、開拓者の村にある学校にその正義の使者である連邦保安官が愛
馬に跨りフラリと現れた。子供たちは大喜びでキャーキャーと黄色い歓声
を上げて騎乗の保安官を取り巻いた。
 保安官はナイスガイだった。柔らかに波打つブロンドの髪を片手でなで
上げるとカウボーイハットを被り直し、鮮やかな白い歯を見せてニッコリ
笑った。子供たちは辛抱し切れずに“保安官の馬に乗せておくれよ”と、
口々にねだる。保安官は優しく子供を抱き上げ、学校の裏手の草原に愛馬
を走らせた。倒木を軽く飛び越えたり、馬を後足立ちにしていななかせた
りと云うパフォーマンスも披露した。
 子供たちを一通り馬に乗せ終えた頃には、先生や村人達も集まってこの
様子を見物していた。保安官の見事な手綱さばきに一同から拍手が沸き起
こった。
「保安官、今日は事件は無いんですか」
 村人の一人がおずおずと尋ねると保安官は爽やかに答えた。
「君たちの真面目な働きぶりを見て、悪党どもも心を入れ替えたのかな、
近頃はすっかり事件が減ったんだよ」
 爽やかな風が吹いた。かんらかんらと笑い声を残して騎乗の保安官は再
び風となった。地平線の彼方に消えゆく彼の背に村人達は何時までも手を
振り続けていた。
 その一方、保安官と愛馬が駆け回った草むらの根本では悲惨な光景が繰
り広げられていた。おとなしく草の露をすすっていた昆虫達の集団を保安
官の駆る白馬の蹄鉄が突然襲ったのだ。無惨に踏みにじられた彼らは一た
まりもなかった。目の前で夫を踏みつぶされたカナブンの妻と子が恐怖に
震えていた。新婚間もない妻を無くしたテントウ虫が悲嘆に暮れていた。
 二つに千切れたカマキリに縋り付く子達がいた。
 長い髭をピンと立てた、かみ切り虫の長老が恨めしげな視線を走り去る
保安官に向けていた。おっかなビックリで穴から這い出たアリの青年が長
老に話し掛けた。
「あの保安官の野郎、自分がどんなに酷いことをやったか気付いちゃいな
いんですぜ」
 かみ切り虫はコックリと頷いて、忌々しげに言うのだった。
「どうせあの保安官はワドルとか云う名で、馬には名馬グリーンビル号な
んて名を付けているに違いないのさ」
                   ―しまい―

2002年03月16日12時38分45秒投稿

【end of file】